従士狐龍のマサキ



世にも珍しい龍に「成った」狐。

元々狐族の経営する茶店「人一行一」(ニンイチギョウイチ)のシャイで地味な一店員として働いていたが、

幼少の頃より強く憧れていた龍族への想いが日増しに強くなり、そして微妙にこじらせ続け、

元々ひそかに変身願望のあった彼女は、遂に伝説に伝わる、龍に成るための修行 “登竜千善業” に臨んだ。

あくまで伝説に残るだけの修行法であり、その内容は困難かつ確かな成功例も存在しなかったが、彼女は見事に成し遂げる。

これで龍族男性とお近づきになれると思っていたマサキだったが、残念ながら龍族ではウロコ女性がモテる上、精神構造が他種族と微妙に異なり、特に恋愛観が非常に独特。

説明が難しいが、龍族は異性に対しても同性と同様な“友情”の段階のみがあり―(文化的にも男女を分けるような生活様式が殆ど存在しない。実際、五大龍「王」の称号は女性にも与えられる)

―その次の段階がいきなり配偶者なのである。

他種族から見るとかなりドライに見えるが、愛情が薄いという訳ではない。しかしそれがマサキにはカルチャーショックで、なかなか苦労が絶えない。

毛皮系の彼女がモテないのも差別からくるものではなく、単に龍族独特の本能によるもの。

そのくせ、龍でありながらも哺乳類の特徴を持つマサキは、他の龍にとって珍しくて面白いらしい。

以上、龍に成った動機が若干不純であるものの、

登龍千善業を達成した実力は紛れも無い本物であり、龍界に来てすぐコージンの元へ弟子入りした。

日々悶々としながらも能力を磨き、大地を操る黄の力の体得や、狐族の持つ術と合わせた神通力を数多くマスターしている。

特に黄の力は、その力で理想的な架空龍イケメン “土塊龍 龍之介君”(ドカイリュウ リュウノスケクン) を造形して遊んでいたところ、いつの間にか飛躍的に上達した。

司属性が水と相克関係にある大地の為、シャオヘイの力を制御する意味でコージンにお伴を命じられる。

若いイケメン龍との二人旅にちょっとドキドキしながら出発したが、

シャオヘイの中二っぷりわがままっぷり世間知らずっぷり龍っぷりに振り回されそれどころではない日々。

服も「黒いのを着ろ」と強制され、個人的趣味で自作していたメイド服をふざけて着てみたところ採用されてしまった。メガネは伊達

シャオヘイのお目付け役のほかにも、コージンから修行の一環として、宝貝制作の為の如意宝珠を預けられている。


変化と「成る」事の違いについて

いわゆる変化術はどこまでいっても形態模写にすぎない。

勿論術者の実力次第で精度や変化対象の能力再現度を上げたり、変化時間を延ばすことは出来るが、あくまで一時的な変身なのだ。

それに対してマサキの遂げた「龍に成る」とは、「龍として生まれ変わりなおす」事に相当する。肉体そのものの変化なのだ。





マサキは変化術も昔から達者であり、今でも変化術で一時的に狐の頃の姿に戻る事も可能。

また、彼女は狐龍百態変化経という独自の術式を構築。

全身・各パーツに至る変化の組み合わせを予め百パターン分セットしておく事が可能で、

比較的コストをかけず瞬時に精度再現性の高い変化をする事ができる。

髪型や髪・瞳の色なども細かく変身してお洒落可能。

ちなみに服のサイズは龍形態と狐形態で全く異なるので、各2着分を用意している。こちらもメガネは伊達

彼女の服や旅の道具はマサキの術により巻物の中に二次元化され収納されている。



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