玄武



向かって左がウーコ。右がゲン。

歴代の四神獣の中で唯一神通力を持たず、史上初めて二人一組で玄武の名を与えられた。

そして記録に残る初めての恒山真形(コウザンアーマー)適正操縦者。

ゲンは元戌部隊獣士。正義感の強い青年だが、兵士としてはいたって平凡。

現戌部隊従士で当時部隊長であったヴォルフによる評価も高くなかった。

ウーコは元丑部隊技術開発部の一職員。典型的な理系女史。

二人は偶々出会い、そして偶然、恒山真形の適正操縦者である事が発覚した。



恒山真形(コウザンアーマー)とは、攻防共に世界最強の古代宝貝シリーズ、五岳真形(ゴガクアーマー)の一つ。

伝説…というより神話に伝わるところによれば、

太古の昔に存在したという、龍族と恐竜族の祖先たる“竜”の一族、その王であった“バンコ”の遺体から創られたという。

解析により、その構成要素は純度100パーセントの如意宝珠である事が判明した。

五岳真形はそれぞれが対応する最上位の五行の力を宿しており、恒山真形は黒の力、水と冬を司る。

現在、所在の分かっている五岳真形は恒山真形のみ。

その最大出力は星の水全てを掌握するといわれ、

例え残りの4機がなくとも、この宝貝を使いこなす事の出来る適正者が現れれば、

魔獣・魔神たちとの勢力図は一気に好転するとされていた。

しかし、実際には史上誰一人として起動する事さえ出来ずにいたのだ。

ゲンとウーコが現れるまでは。

コクピットは開閉する胸部。見た目に反した広さをもち、アーマーに直結した操縦の為のスーツ、恒山具足(コウザングソク)が収納されている。

恒山具足は普段球体状だが、適正者が触れる事でその身体に合わせたスーツへと変形する。

球体時は一個の物体だが、ウーコとゲンが触れる事で二つに分裂・変形した。

ウーコとゲンは二人セットで初めて恒山真形の適正者になるらしい。

他に適正者の記録が残っていない為仮説にすぎないが、

例え百人同時操縦でもそれが適正条件に叶うのであれば、恒山具足は百人分のスーツに分裂変形し、

恒山真形もまた百人のパイロットでも収納しうるスペースを内部に確保するという。

命婦隊の如意スーツはこの恒山具足をモデルに開発された。

ゲンとウーコは恒山真形操縦の才能を見出されて四神獣の称号と使命を得る。

最大出力を引き出すまでには至っていなかったが、

それでも第二次総力戦において恒山真形は殆どダメージを受けず、現在その全てを自己修復した。

しかし、元寅部隊従士・現四凶キュウキであるイコテンによる裏切りと、それに唆された赤き竜の末裔達の暗躍により、

恒山真形搭乗前にウーコが毒を盛られ、戦闘中に意識不明に。

ゲンが単独でアーマーを操縦するも、その負担は計り知れず、

ウーコは一命をとりとめたが、ゲンは現在も昏睡状態が続いている。


宝貝・神器の使役適正条件はものによって様々。

例に漏れず思念操作を要求されるため、単に扱いが難しいものや、

五岳真形のように、適正者が触れない限り能力の発動・起動さえままならないものなど幅がある。

特に古代より伝わる宝貝に後者のようなパターンが多く、

これは制作の際意図的に設定されている可能性が高い。



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